日本酒は初心者という方も、無類の日本酒好き! の方にもおすすめのこちらのツアー。

旅の舞台は福島県金山町。新潟県との県境にある奥会津の静かな里山で、酒米の田植えからはじまり、稲刈り、仕込み、瓶詰めと、全4回にわたって日本酒をつくる行程を体験します。その第1回目「田植え編」を、福島県浜通り出身の私、川崎久子がレポートします!

集合場所の新宿で、フリーアナウンサーで酒サムライのあおい有紀さんと初対面。さすが、朝の顔!早朝にも関わらず爽やかな笑顔で出迎えてくださいました。なんと今回、移動の車内でふるまうためにと、8本もの日本酒を持参されたとか。8時に出発し、一連の挨拶が済んだあと、早速1本目の日本酒をオープン。午前中から日本酒をいただくのははじめてのこと。日本酒三昧の旅の幕開けを感じた瞬間でした。

バスの中で、さまざまなお酒を試飲させてもらいました

バスの中で、さまざまなお酒を試飲させてもらいました

東北道と国道400号を走り継いで4時間強。福島県昭和村にある「からむし織の里」でランチ休憩です。エゴマのタレがかかった「ばんでい餅」やニシンの甘露煮などお膳に並んだ郷土料理はどれも素材そのものの味を生かしたやさしい味わい。

ばんでい餅やニシンの甘露煮など郷土の味に舌鼓! 

ばんでい餅やニシンの甘露煮など郷土の味に舌鼓!

ちなみに、「ばんでい餅」はもち米ではなくうるち米を使用しています。エゴマは近年注目を集めている食材ですが、福島では「じゅうねん」と呼ばれ、ぼたもちにしたり、和え物にしたりと昔から一般家庭に根づいています。私の場合、普通のぼたもちよりもじゅうねんぼたもちの方が好物。じゅうねんの適度にざらりとした食感と餡ほど甘過ぎないのがよかったんですよね。慣れ親しんだ母の味、思い出すだけでもよだれが出そう!

閑話休題。

旅の目的地である金山町は昭和村のすぐお隣。金山町役場で観光物産協会の押部花緒里さんと合流し、SL見物へ。

只見線は奥会津の里山の景色と鉄橋上を走る列車の取り合わせの美しさから、撮り鉄に人気のローカル線です。この日はSLが走るとあって、会津川口駅のそばにある線路上に架かる橋の上には多くの鉄道愛好家が集結していました。

撮り鉄のカメラマンが金山町に集結!?

撮り鉄のカメラマンが金山町に集結!?

なかには、どこぞのテレビ局か!と思うような本格的なカメラを構えている方も。趣味に燃えると装備を揃える予算は青天井だなぁと、ちょっとうらやましく眺めました(苦笑)。

流れの穏やかな只見川の川面に周囲の山々が映り込み、その側を汽笛の音も高らかに黒煙をたなびかせて走るSL。雑念が入りましたが、確かにこの風景は一見の価値ありの美しさでした(SLが通り過ぎたあと、次のスポットへと急ぐ撮り鉄たちの大移動も見ものでしたが)。

ほら、この景色は一見の価値ありでしょう?

ほら、この景色は一見の価値ありでしょう?

次なるスポットで奥会津唯一のマタギ・猪俣昭夫さんの話を伺うことになっていたのですが、観光物産協会の押部さんから「昭夫さんは背がすらっと高くて、金山町一かっこいい」という前情報が。なんでも、「春よこい~熊と蜂蜜とアキオさん~」というドキュメンタリー映画の主人公でもあるそう。

沼沢湖畔でマタギの昭雄さんの話を聞きました

沼沢湖畔でマタギの昭夫さんの話を聞きました

期待に胸を膨らませて昭夫さんをひと目見た瞬間、思わず「ホントだ」と素直な感想が漏れました。身長180センチをゆうに越える昭夫さんは、鼻筋も高い素敵なロマンスグレー。沼沢湖の湖畔で、湖の成り立ちや、生息するヒメマスの秘話、マタギの暮らしについて語ってくれました。山の人らしい、飾らない語り口に引き込まれたひと時でした。

内容盛りだくさんの「てまえ酒ツアー」。

1日目の観光のトリを飾るのは天然炭酸水の井戸です。

これが、炭酸水が湧く井戸です

これが、炭酸水が湧く井戸です

山々に囲まれた自然豊かな金山町では天然炭酸水が湧いており、ボトル詰めして販売もされています。この炭酸水、先の伊勢志摩サミットではコーヒーブレイクの際のドリンクとして各国首脳にも提供されました。クオリティの高さは折り紙付きというわけです。

大塩地区にある炭酸場では、誰でも自由に炭酸水を汲むことができるのですが……、ここでアクシデント!先に訪れていた観光客の方が井戸に車の鍵を落してしまい、底をさらっていたために水ににごりが出て飲めない状態になっていました。一堂、がっかりしたのもつかの間、炭酸水が湧いている場所がほかにもある、と押部さんのうれしい言葉が。

口に含むと微かにシュワシュワの炭酸味が感じられます

口に含むと微かにシュワシュワの炭酸味が感じられます

早速、もうひとつの炭酸場へ移動しました。先のは井戸でしたが、こちらの炭酸水は道路の側の土手からたっぷり流れ出ていました。飲んでみると、クセのない、のどごし爽やかな微炭酸。これで梅酒割とか贅沢ね…、なんて飲み助の発想をしてしまいました(笑)。

(文・川崎 久子)

≪続く≫