第6号(2016年5月27日版)

「国際化と自立」

いつもお世話になっております。

今回からREALREPORTの発行を少し早めようと思います。「一回の分量が長くて読む暇がない」とのご指摘もありました。少し短めに記していきます。毎月2回発行を目指します。

わが郷土熊本、そして大分を襲った震災に遭われた観光産業の仲間が、これから復興していくことを信じています。同郷の先輩がバンドリーダーをされている銀座ケネディハウスで開かれたチャリティーコンサート「がまだせ(熊本弁で「頑張れ」の意)熊本」に参加しました。東京・大手町で開かれたチャリティー・マルシェ「熊本・阿蘇復興マルシェ「がまだすばい(「頑張るよ」の意)熊本・阿蘇@大手町」に販売ボランティアとして参加しました。東京で出来ることをしていきます。気持ちだけでも伝えます。

私たちは「人生から逃げることのできない旅館経営者と、その一族のミカタ」です。私たちは諦めません。当社と連携する専門家集団とともに、旅館経営で起こり得る、あらゆる課題解決策を当事者の気持ちになって一緒に考えます。
これからの旅館経営の大きなポイント、それはあらゆる意味における「宿の自立」です。これまでどちらかというと受動態だった旅館業の皆さんですが、これからは能動態でありたい。広報宣伝活動など、これからは誰も代行してくれなくなります。そのためにも「人財」を蓄積しましょう。
私たちは「ジャーナル化」と呼んでいます。SNSを活用し「中小企業の自立した情報発信」について真剣に準備しましょう。『REAL REPORT 第6号』、今回はそんなお話です。

「ボーダレス時代、考え方を変えましょう」
「今のまま」では、どんどん売上高が下がります。「今のまま」とは「時代変化に対応できていない」ことを指しています。
「時代変化」と「国際化」、この二つに対応できていない企業と付き合う度合を薄くしてもいいのではないかと思います。昔の事業スタイルと、これからやらなければならない事業スタイルのスケジュールを両立させようと思うと、宿の経営者の時間が足りなくなります。優先順位を考えましょう。
「これまでの人たち」とはどんな人たちか。例えば、旅行業(リアルもネットも)、そしてメディア(出版社、新聞社、テレビ局など)です。この人たちは、そのうち大きく時代から後退します。

旅行業はインバウンドの取扱額を伸ばしていると声高に広報していますが、それが実益に結びついていないという実態を知っておくべきです。当事者幹部たちからは「個人的な意見ですが」と前置きされながら愚痴を聞いています。私に話す愚痴の内容とニュースリリースは真逆です。海外へ向けたプロモーション費用自体には限界があります。「砂漠に水を撒いている」ようなものです。本当の意味で、インバウンド事業を成功させている国内事業者は皆無と言えます。
エクスペディア、Booking等は当初、とても高い手数料率でした。しかし、これには戦略的な理由がありました。世界中に拡散するための予算を含んでいたからです。トリップアドバイザーとて、あれだけ好調に事業が推移しているのに世界規模で大きなリストラクチャリングを展開しました。理由は世界規模に拡散するための予算配分を優先させたからです。

次に、メディアの話。これはあくまで「事業性」の話です。
10数年前、IT革命によって立身出世を果たした時代の寵児たちが、こぞって国内のテレビ局買収に走った報道を思い出してください。あのときの彼らの判断は正しかったのです。世界を見てきている孫さんも動いた。続いて三木谷さんもホリエモンも動いた。世界のメディア王、ルパード・マードックの取った事業展開こそ、IT社会におけるメディア事業としては正しい選択でした。あの段階で日本国内のテレビ局はITを駆使して「国際化」するべきだったのです。私は右翼的な人間ですが、日本のメディアの閉鎖性が事業価値をどんどん縮小させ、ビジネスチャンスを逸したと考えています。
なぜならWebは世界に通じているから。まさに「ボーダレス時代」を無視することはできません。

「日本の宿泊産業の将来は明るい」
国内の結婚式場の事業計画は、少子高齢化とともに右肩微下がりの取扱額を描くしかありませんよね。アメリカ人が日本の結婚式場で婚礼をしてくれるわけがないからです。
しかし、私たちは「宿泊」を伴う産業です。そして「和文化」という世界に誇れる財産を所有しています。インバウンド(訪日外国人観光客)が世界規模で爆発している実体、これを宝としましょう。

国内需要(内需)だけでは右肩微下がりの日本産業の将来像が、内需に海外からの需要(外需)を加えれば、右肩上がりの事業計画が成立します。
宿は地場産業です。宿の「国際化」とは海外進出ではありません。世界中の人に存在を知ってもらい、世界中の人たちに興味を持ってもらい、世界中の人たちを受け入れる準備をすることです。これが私たちの「国際化」です。
私なりに考えた「将来性のある宿の5箇条」を記します。
① 日本の伝統的な魅力を伝承し続けていること。
② 日本の魅力を自力で情報発信する術を持っていること。
③ 宿自身の魅力、商品力を持つこと。
④ 日本旅館という文化に誇りを持つこと。
⑤ 上記を実現するための「人財」を死ぬ気で蓄積すること。

「宿の自立、国際化を考えるセミナー開催」
Facebookで掲載したお知らせをここでも記しておきます。なかなか同時開催が難しいセミナーです。私が同行することで、2社に客観的な質問をすることができます。宿の経営者、あるいは後継者でもWeb担当者でも良いので、ぜひともご参加ください。会場の関係で先着20名様です。お早めにご予約下さい。
【宿のミカタプロジェクト プレゼンツ】
「FIT化するインバウンドを狙え! ~トリップアドバイザー社とBooking.com社、リレー式セミナー」
来る2016年6月24日(金曜日)、月間3.5億ユニークユーザー数を誇る世界最大のクチコミサイト、トリップアドバイザー社と、こちらも世界最大の予約サイト、Booking.com社においてリレー式セミナーを開催します。両社が友好関係にあるという点、そして、宿のミカタプロジェクトが「宿に役立つ事業を展開している」と確認した点などの要素を含めて実現させました。
トリップアドバイザーでは、宿の公式ホームページに直結させるための手法「ビジネスリスティング」の仕組み、活用法について学びます。
一方のBooking.comでは「Booking suite」というプランを解説してもらい、宿の公式ホームページのマルチリンガル化(多言語化)に活かせるか、その可能性を探ります。

なお、セミナーの詳細は下記の通りです。
日時:2016年6月24日(金曜日)
行程:10:50トリップアドバイザー株式会社(東京都港区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイス34階)受付集合/11:00~12:30 トリップアドバイザー会議室で第一部セミナー/12:30~13:50 休憩(移動・ランチ等)/13:50Booking.com Japan株式会社(東京都港区北青山3-6-1 oak omotesando5階)集合/14:00~16:00Booking.com Japan会議室にて第二部セミナー/解散(お時間のある方は懇親会も予定します。会費制、自由参加です)

場所
トリップアドバイザー株式会社(港区恵比寿4‐20‐3 恵比寿ガーデンプレイス34)    Booking.com Japan株式会社(港区北青山3-6-1 oak omotesando5階)
※両社は友好な関係ですが、双方の事業性から2会場に分かれます。移動が面倒かと思いますが、ご了承ください。
司会進行:野添ちかこ(宿のミカタプロジェクト・チーフアドバイザー)
第一部セミナー講師:八並順平氏(トリップアドバイザー・ホテルセールスマネジャー)
第二部セミナー講師:田原口 摂氏(Booking.com Japan・デジタルソリューションマネージャー)
モデレーター:永本浩司(宿のミカタプロジェクト・代表)
参加人数:セミナー会場の関係上、先着20名様とさせていただきます。お早目の参加希望をお寄せください。
セミナー費用:お一人5000円(税込) 宿のミカタプロジェクト加盟施設は無料となります。※下記への振込確認にて参加確認とさせていただきます。
振込先:りそな銀行 本郷支店 普通 1855567 合同会社宿のミカタプロジェクト
お申込み、お問い合わせ:合同会社宿のミカタプロジェクト 03(6869)4453 nagamoto@yado-mikata.com ※Facebookでつながっておられる皆さまはmessageでもお受けします。

「将来性のある宿の5箇条」をクリアするためにも役に立つセミナーです。ご参加ください。

「旅館パンフのようなHPでは生き残れない」
誰にも知られず「孤独死する宿」にはなりたくありませんよね。
縦長(あるいは横長)の「旅館のパンフレット」のような、作ることだけで満足している機能性が薄い旅館の公式ホームページでは生き残れません。
旅行業が衰退し、国内メディアがWebに影響力を奪われていくと、地方に存在する旅館はどうなるのでしょうか?地元では知られているけど、全国的、あるいは世界的には知られていない「孤立した宿」になってしまいます。旅番組や旅雑誌で宿を取り上げてくれると1年間ぐらいは食べることができた文人墨客ゆかりの宿なども、これから大変な時代を迎えます。
冒頭で記した通り、国際化できなかった旅行業や国内メディアとの付き合い方を考えたほうがよさそうです。雑誌やテレビが予算を削られて電話取材で済ませていたりします。ネットで宿の公式ホームページを見て「すみません、写真を貸してください」って電話一本で取材を済まされていませんか?
こんなインチキ、エンドユーザーはすぐに見破ってしまい、そのメディアを見限ってしまうに違いありません。宿経営とてインチキはダメ。メディアや旅行会社と一緒に、エンドユーザーに見限られないように「宿を磨きたい」ところですね。
Web戦略ができていない宿は、地元需要をあてにするしかありません。「うちはおかげさまでリピーター客がいらっしゃるから大丈夫です」という宿も、そのうちリピーター客が一人、また一人、この世からいなくなられます。合掌(/ω\)
自分の力で、新規の潜在顧客を掘り起こしましょう。
もはや宿は自分たちで情報を発信していくしか生き残る道はありません。だから「自立」なんです。オウンドメディアマーケティングの発想を早く理解し、その準備を始めてください。そんなに簡単な変革ではありません。ある意味、体質改善です。宿の経営者様、スタッフ様の考え方を変えないとうまく運営できないかもしれません。
私たち、宿のミカタプロジェクトもお手伝いします。お声がけください。今夏に向けてすでに始めている加盟店様もありますよ。

第7号に続く